このこ誰の子?仔犬のワルツ

・・・で、結局なんだったの?何が言いたかったの?って感じ。これ、単純な感想。
これだけだと如何にも馬鹿っぽいので。でも、こうも言わないとやってられないって感じ。最初こそは不当な扱いを受けて来た盲目の少女(葉音)と水無月家の養子の芯也が学長争いに巻き込まれながらピアノの能力を切磋琢磨しながらお互いに幸せをつかんでいくというそういう都合のいいシンデレラストーリーもどきを一方的に期待しすぎていた感じではあった。だが実際には全話見ていただいた方はご存知の通りの荒唐無稽とも言えるなんでもアリのムチャクチャなつじつま合わせの継ぎはぎだらけの一度見ただけでは到底理解不能な、そういう難解なドラマ・・・いや、これがテレビドラマなんかじゃなくて例えば小説だとかテレビの枠に収まりきらない舞台演劇なんかだと良かったのかもしれない。それが少々小難しくても許されるから。小説なんかだとこちら側でいくらでも都合のいいように解釈出来るから。その小説を読む側それぞれ世界が違ってくる訳だから。そして西島秀俊のあの独特のつぶやくような高揚感の感じられない演技はテレビドラマのそれではないような気がした。舞台や映画なんかだともうちょっと大胆に出来たのではないか、そんなように思われる。もしかしたらセーブするようにとか言われていたのかもしれない。そしてご存知のように水無月家はじめとした出演者全員が何かしら問題を抱えていると言った半ば強引とも言える入り乱れた関係。そこからいったい何を感じ取れる?一方的に語り始め、感情移入を煽ろうとしたってそもそもが感情移入以前の人物設定。そこに至るまでが説明不足の強引で傲慢な嵐。そんなドラマに入れ込めって言われたってそうはいかない。いくら例えそこになっちの笑顔があろうとも、そんな子供だましには引っかからないよ。
そんなことはもうどうでもいい。
どうでもいいんだ、もう。
もう、これで終わりなんだから。
とにかく今言える事は、この重っ苦しいドラマから解放されてよかったな、という事。そして私は今後このドラマの真意を確かめようとして、もしくはこの独特の世界観を理解しようとしてせっかく全話わざわざあらゆる事を犠牲にして撮ったこのドラマを、まぁ消す事は当分無いと思われるが再び見るような事は今後ないだろうな、という事だ。ネタにしてもおそらくは無い。そんなものは他の人に任せておけば良い。これが現時点での「仔犬のワルツ」全話をリアルタイムで見終わっての私の思った事だ。これで頭を抱えるような事が無くなっただけでも良かったかな。
なっち、やっとこのドラマから解放されてよりいっそう幅の広がった仕事が出来るよ、良かったね(祝・ヤンタンレギュラー!!)
写真は「このこ誰の子」より。保阪尚輝、杉浦幸岡本健一。そっか、保坂が出ていたらこのドラマが再現出来ていたかもしれないのにね(???)